2020.08.25 Tue

半年間の行動のまとめ。

3月〜6月と映画を散々見た。数えたら、4ヶ月で80本見ていた。久しぶりに連続で見て、集中的に見ることの楽しさをアル・パチーノとロバート・デ・ニーロを通じて感じた。どっちも魅力的なのだが、私はパチーノが出ている作品のほうが好きみたいだ。それも銃をぶっ放していないタイプのパチーノ。『ゴッドファーザー』シリーズでのドン・コルネオーレの冷血な暴力性、『スカーフェイス』での追い詰められたところでの開き直り、そして90年代に近づくほど顕著になる大声の演技、そんな激しい印象が強い。だが、楽しいパーティで楽しみきれない笑顔、悲しいところで悲しくなれない心の重み、そう言ったニュアンスを出すのがすごく良かったと思った。特に良かったのは、『スケアクロウ』『狼たちの午後』『恋のためらい/フランキーとジョニー』の3本。『恋のためらい』はとても楽しんで見て、その結果映画を見ることに少し満足して一旦映画鑑賞は休憩となった。『恋のためらい』、何を切り取っても素晴らしかった。私はウエイトレスが出てくる映画が大好きなのだが(マーティン・スコセッシの『アリスの恋』とか)、それ以上にレストランが舞台の映画も大好きなのだ(ファティ・アキンの『ソウル・キッチン』とか)。しかもこれはギリシャ系のダイナーという設定で、そのディティールに心がくすぐられてしまった。汚れた皿たちがディッシュウォッシャーにかけられて出てくる皿視点のシーンなんて、今までにあったろうか!古くなって壊れてしまったケーキディスプレイマシン、まかないのツナサンドイッチ、常連さんとの軽い会話、言うことの聞かない若い皿洗い、閉店後の静かな店内。自分がレストランでアルバイトしていた経験が長いからだろう、そういう細かな演出がとてつもなく楽かった。『スカーフェイス』で愛憎関係にあったアル・パチーノとミシェル・ファイファーのふたりの掛け合いが可愛い。セックス前の避妊確認というロマンティック・コメディ映画では絶対に差し込まないであろう雰囲気ぶち壊し気味な場面も気軽に描いていて、その辺のテンポの良さも上手いなと思った。

ちなみにロバート・デ・ニーロは、パチーノより幅広いタイプのキャラクターを演じているものの、手堅く『ディア・ハンター』が一番好きかもしれない。『恋に落ちて』は映画として好きだが、役者だったらメリル・ストリープのほうが圧倒的に好きだった。

そんなわけで、スコセッシの『アイリッシュマン』を見るためにパチーノとデ・ニーロの出演作品を見始めたものの、『恋のためらい』で一旦鑑賞ストップとなってしまったのだった。でもどこかで Netflix は入らないと、見たい映画がたくさんある……。

6月は引き続き映画を見て、ゲームをして過ごす。7月に入るとゲームも落ち着き、ちょっと外にで始めた。見そびれていた『ストーリー・オブ・マイライフ』を見に行き(最高だった!)、COVID-19 で顕在化した上司との意識の違いにウンザリして退職した友達の退職祝いでもんじゃ焼きを食べに行き、散歩の回数を増やし、自転車で半径5km圏内のパン屋を廻り、そして近所のインド・ネパールカレー屋を制覇した。相変わらず在宅勤務は続き、同じアパートの上階に住む大家さんと会うたびに「いつまで在宅勤務なの?大変ねえ」と言われる。おそらくずっと在宅勤務だろうと思う。必要があれば外出するが(現に、6月以降は週に1回ぐらいは客先へ訪問していた)、移動時間を作業時間として確保できるし、何より自分の時間が増える。

7月4連休、本来オリンピックを開催していた時期からアニメを見始める。見てなかった映画、プレイしそびれていたゲーム、ときたら、見そびれていたアニメにつながるのは自然なことだと思う。思わない?
『少女革命ウテナ』を見始め、それが想像していた以上にどっぷりとハマってしまい、鑑賞2日目には近所の花屋でピンクと白のバラを買ってきたくらいだ。休みの間に劇場版まで一気にマラソン鑑賞した。テレビシリーズと劇場版の違いと関連性について、どこかでまとめて書きたい思いをずっと持っている。

なので8月はアニメと本の月になった。『輪るピングドラム』、『魔法少女まどか☆マギガ』を見ながら、合間で積読していた「移民と日本社会」(吉永希久子)、「僕は君たちに武器を配りたい」(瀧本哲也)、「知的生活習慣」(外山滋比古)、「功利主義入門」(児玉聡)、「カール・マルクス」(佐々木隆次)を読む。今更ながら Kindle で本を読むのが慣れてきて、部屋を暗くして完全に寝る態勢で読みながら寝落ちしている。目には良くないと思うが、本に触れる量が増えたので自分として良い傾向だと思っている。
ちなみに、マルクスの本を読んでいるときに『まどマギ』を見てしまったため、資本家による労働者搾取の作品、としか思えなかった。まどかがマルキシストだったらああいった構造の上層部だけしか変革しないような願いは行わないだろうな。そう言いながらも、大泣きしながら見ていたのだが……。

ちなみに4月に購入したアコーディオンは継続して練習しているが、暑くなってきたことにより頻度は減っている。膝に8kgの物体を抱えているのが中々辛く……。年内にあと2曲はちゃんと弾けるようになりたいという目標があるので、もう少し頑張ろう。

そんな感じでインプット量はかなり増えているものの、アウトプットを何かしているわけではない。映画の感想のブログも書かなくなってしまった。趣味の合う友達と話す機会も減り、バーなんかにも行けていないので雑談する機会も減り、会社の人とランチや飲みに行くこともなくなり、なんだかちょっと変な状態だと自分でも感じている。それが影響しているかはわからないが、夢を見ることが多くなった。中高生の時は一度の睡眠で何本(夢の数え方は、映画のように本でいいんだろうか)も見ていたのだが大人になってそれが減り、ここ数年はあまりなかった。それが、この半年でかなり増えた。それも妙にヘヴィーな内容が多く、殺すか、殺されるか、地球が滅びるか、人を裏切るか、窃視しているか、逃げるか、逃げ出すか、そんな感じのものが多い。懐かしい人は出てこなくて、ここ数年に出会った人たちがたまに出てくる。体内の情報が溜まりすぎているのかもしれない。かと言ってそれは日中ではどうすることもできず、寝ている間の私が頑張って処理しようと試みているのかもしれない。夢は、普段得ている情報のアウトプットなんだろうか、それとも全然違うところからやってくるものなんだろうか。
そんな夢ばかりだから、起きるとすごく疲れている。本当にしんどいのだ。そう言う意味では体調は全然良くないと思う。

ユリイカの8月号が今敏特集だった。近所の本屋には置いていないので結局 Amazon で購入し、昨日届いて読み始めた。ちょうど24日は没後10年目の日で、次は『妄想代理人』を見なくちゃなと思っている。

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